城塞 (中巻) (新潮文庫)![]() 城塞 (中巻) (新潮文庫)のレビュー
大阪の冬の陣
中巻は大阪の冬の陣から夏の陣へ。家康のやり口は相変わらず狡猾というか、汚いというか、賢いのに対して、豊臣側は相変わらず知能的に赤子のような対応。それでいて豊臣上層部には危機感が薄いのが、呆れるのを通り越して悲しくなってきます。死に場所を探している侍ならともかく、一旗あげたいと思っている現場からすれば最悪の上司としかいいようがない。いや、あるいは、有能な現場と愚かな上層部を乖離させ続けたのは家康の狙ったことなのかもしれない。のちに家康が幕府を開いたときには、豊臣の姿を大いに反面教師にしたのではないか。
戦国が関ヶ原で終わりと思っている人には読んで欲しい
中巻では大坂冬の陣の始まりから徳川家と豊臣家の和睦(形だけの)までが描かれています。
家康のやり方に憮然としつつ・・
本書を読むと、何故、家康以前の武将達、信長や秀吉が一代限りであり、徳川家の世が300年も続いたのかが嫌になるぐらい良く分かる。知能戦と言えばいいのかもしれないが、家康に手玉に取られ、自分達の首を絞めるほうに絞めるほうにと進んでいってしまう豊臣一族。豊臣家滅亡への道筋の中でも、武将としての道を生きる真田幸村や後藤又兵衛といった己を貫ける個性たち。「関ヶ原」から読み始めて、ようやく城塞の中巻まで読了しました。次には「覇王の家」を読んで、“江戸時代をかたちづくったもの”を自分なりに整理したいと思っています。
・・・
司馬作品ははっきりエンターテインメントに徹した初期と歴史家たらんとした後期に分かれる。これは前期の佳作の一つで大阪の陣を塑像力豊かに描く。 |
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