所轄刑事・麻生龍太郎のレビュー
聖なる黒夜の麻生はここにいる!
レビューを読んで、これは文庫になってからで良さそうと思いましたが、つい我慢しきれず買ってしまいました・・・がやはり文庫になってからで良かったです。
公務員にも警察官にも管理職にもむかない、それでも謎解きに天才的な冴えを見せる、名作「聖なる黒夜」の麻生龍太郎がここにいます。この本は、麻生さんの若年寄り的キャラ故か、作者の執筆年齢による影響か、20代の前半の躍動感や若さそのものに欠ける麻生さんがいます。年齢を書かないでくれたなら、とても20代前半の若者が主人公とは思えない作品連作集です。その他の20代の登場人物は年齢相応に見えるのですが・・・その点で★はマイナス。そして、作品そのものもどれも最後のオチが弱い、と思いました。どれもまとまって読みやすい作品ですが、弱いかな、と。そのうち、花咲さんの警察官時代の作品も読みたいですが、出来たらお得意の長編でお願い致します!そして、ジェットコースターのような興奮度の高いタイプだったら尚嬉しいです(勝手ながら)。必ずハードカバーで買いますので!
さらさらと
著者の書かれるシリーズの幾つかに顔を出している、麻生の若き日の記録。
さらさらと生きているように見える彼の、若くて青くて一本線が通っているところがよかったです。
普通の刑事ものとしても大変楽しめました。
これだけでもふつうに楽しめます
RIKOシリーズは暗くて、最初の作品だけでパスしてましたが、これはこれだけで結構楽しく読めます。事件の一つ一つも、日常の謎系に近く、そこそこリアリティーがあってよいです。
私の一押し刑事、麻生龍太郎の所轄事件簿
5編の短編からなる小説です。
ファンにはいまさらですが、『RIKO』シリーズ、『聖なる黒夜』で
おなじみの麻生龍太郎の所轄刑事時代の物語が、大学剣道部の先輩であり、
刑事の先輩でもある及川との関係をからめながら展開されます。
これもおなじみの山内練が影も出てこないので、なおさら及川さん
との関係がフォーカスされますが、淡々と物語りは進んでいきます。
そして、淡々とエピローグを迎えます。
山内さんのからみを期待していたので、私にはほんの少し残念です。
あまり、奇抜なトリックや凝った事件場面の設定はなく、だからこそ
なおさら現実の事件を想像しやすい気がします。
また、優秀な刑事でありながら、刑事になりきれない、仕事にも恋愛(?)
にも執着をしきれない麻生さんは私の一押し刑事です。
後の作品では刑事をやめて、探偵になってしまいますが…。
柴田さんの作品を読むとほんのりと場面が浮かんできて、漫画の一場面を
眺めているかのような気になることがあります。
今回の作品では、麻生刑事と及川刑事がバーのカウンターでならんで
お酒を飲みながら、さりげなく心の探りあいをする場面でしょうか…。
『聖なる黒夜』をもう一度読み返してみたくなりました。
若き日の麻生をもっと知りたい
「緑子」シリーズに登場する麻生とは、こんな人物だったのか。若き日の彼は
ある悩みを抱えているとはいえ、人情味のあるそして優秀な刑事だった。どんな
ささいなことも見逃さず、それを手がかりとして状況分析していく。もしもこのまま
刑事を続けていたなら、どんな刑事になったのだろう?やはり「緑子」シリーズに
登場する連との関係が強烈な印象として残っているので、複雑な心境になる。
できるのなら、所轄刑事としての麻生の姿をもう少し見てみたいと思う。